民間の生命保険は社会保障制度の不足分を補填するという意味合いが強いため、募集行為おいては社会保障制度についての知識も求められます。
試験対策としてはそれほど深い知識は必要ありませんので基本的な部分をしっかりおさえましょう。
社会保障制度の概要
社会保障制度は次の4種類です。
(1)社会保険制度(年金・医療保険・介護保険・雇用保険・労災保険)
(2)公的扶助制度(代表的なものは生活保護制度)
(3)社会扶助制度(代表的なものは子供手当制度)
(4)社会福祉制度(1~3以外の福祉制度)
この中で、制度の中核をなすのが社会保険制度となります。
ここからは社会保険制度について細かく見ていきます。
主な社会保険制度(年金・医療・介護)
社会保険制度とは、簡単に言えば給料から天引きされる雇用保険・厚生年金・健康保険(40歳以上の人は介護保険)に関するお話しです。
ここは試験に必ず出るのでしっかり押さえて下さい。
(1)公的年金制度
公的年金制度は次の3種類です。
① 老後の生活のための老齢年金
② 障害で働けなくなった時の障害年金
③ 残された遺族のための遺族年金
このうち生命保険一般課程試験では①老齢年金しか出題されません。
この章では老齢年金についてのみ解説します。
老齢年金には次の2種類があります。
A. 国民年金
原則として20歳以上60歳未満のすべての国民が被保険者となる基本的な年金で、基礎年金として支給されます。
※自営業の人はこれしかもらえない。
基礎年金の上乗せ給付を行う任意の加入制度として「国民年金基金」があります。
B. 厚生年金(共済年金)
以前は民間企業の勤労者や船員の年金は厚生年金、公務員の年金は共済年金という、
給与所得者の年金は2つの制度がありましたが、平成27年10月から共済年金は厚生年金に一元化されました。
比例報酬型で給料の多い人は掛け金も高く将来もらう額も多くなります。
※①の国民年金に上乗せして支払われるので、二階建て部分の年金と呼ばれます。。
保険料は被保険者と事業主が折半。
つまり給与から天引きされる額と同額を会社も負担していることになります。
年金に関してはこれくらいで十分です。
生命保険の試験ですからそれほど深掘りしてきません。
(2)公的医療保険制度
国民全員が加入する『国民皆保険制度』で病気・ケガ・死亡・出産などで給付される。
医療費の本人負担は3割。
いわゆる健康保険証のことで、本人負担割合も病院に掛かったことがあればおわかりですよね?
①健康保険
給与所得のある人は次の2種類どちらかの健康保険に入っています。
1.中小企業:全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
2.大企業:組合管掌健康保険(会社が独自で運営)
②国民健康保険
サラリーマン以外の自営業者が加入。
運営主体は市町村。
③後期高齢者医療制度
原則75歳以上の高齢者が対象で、自己負担額は医療費の1割(現役並み所得者は3割)としていましたが、
令和4年10月1日から、現役並み所得者を除き、75歳以上の方等で一定以上の所得がある人の窓口負担割合が1割から2割に変更になりました。
※また、窓口負担割合が2割となる方には、外来の負担増加額を月3,000円までに抑える配慮措置があります。
運営主体は都道府県単位で全市町村が加入する広域連合。
医療保険も試験においてはこれ以上は深掘りされません。
後期高齢者医療制度の運営主体(広域連合)は、国民健康保険の運営主体(市町村)とは違うので注意してくださいね。
(3)介護保険制度
65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者で構成されます。
保険料は所得に応じて決められますが、給付に必要な費用の半分は税金でまかなわれます。
給付を受けるには所定の介護認定(要介護・要支援)が必要です。
給付には介護給付と予防給付があり制度の運営は市町村が行い、利用者の負担は原則費用の1割です。
※後期高齢者医療制度と同様、所得水準によって2割負担、3割負担があります。
この章の解説は以上です。
社会保障制度については合格点が70点なら年金と介護保険は確実の押さえておくこと。
90点が合格基準なら、ここに書いている内容は暗記するように準備してください。
直前に見返して試験開始直後に問題用紙にメモってしまうといいですよ。そのためにもこのページはブックマークをおすすめします。
[/ふきだし]さて、試験いよいよ終盤戦です。
準備が良ければ次の学習に進みましょう。
おすすめ本:嫌ならやめてもいいんだよ
銀座まるかん創業者、斎藤一人さんの著書。
人生には嫌なことが起きることがあります。
まして仕事、保険営業となればなおさらです。
そんな時はどうしたらいいか・・・。
”嫌になったら「非常口」から逃げていい”
保険営業ならその考えに救われる時があります。
コメント